お役立ちコラム
年賀状の賀詞にまつわるマナー講座!
投稿日:2020年10月1日「謹賀新年」や「迎春」など、年賀状の冒頭に添える言葉「賀詞」にはさまざまな種類がありますが、それぞれどのような意味か理解している人は少なかったりもするでしょう。年賀状は日本の伝統的な文化とも言えるものですから、賀詞の意味を理解して上手に使い分けができるようにしておきたいものです。そこで今回は、賀詞の種類とそれぞれの意味、使い方のマナーについて詳しく解説します。
賀詞とはなにか?
年賀状は日頃お世話になっている人たちはもちろん、なかなか会えない遠方の方々に新年を祝う気持ちを表す伝統文化ともいえるもの。そこで大切になってくるのが、「賀詞」です。もともと賀詞というのは、「祝いの言葉」や「祝詞」のことを意味していますが、近ごろは年賀状に添える「祝意を表す言葉」として使われています。「謹賀新年」、「迎春」、「賀正」、「寿」などが一般的によく使われている賀詞ですが、送る相手によって選び方のルールがあるのをご存知でしょうか。
例えば、「寿」や「迎春」などのように漢字1文字や2文字の賀詞を目上の人に使うのはマナー違反です。なぜなら、賀詞はもともと「謹賀新年」や「恭賀新年」のように4文字の漢字からなるのが正式な形で、「恭」や「謹」ということばのように「謹んで」、「恭しく(うやうやしく)」といった相手を敬う漢字が入ることで礼儀にかなった敬語とされていたからです。「寿」、「迎春」のように尊敬語の含まれていない賀詞は、友人や後輩などのみに使うようにしましょう。
賀詞の種類とその意味
年賀状を書く際に何気なく使っている「謹賀新年」や「迎春」といった賀詞ですが、当然のことながらそれぞれには意味があります。相手によって上手に使い分けができるように、理解しておくことが大切です。
【漢字一字の賀詞】
- 寿……めでたい
- 福……幸せ
- 賀……祝い
- 春……新年、年の初め
【漢字二字の賀詞】
- 賀正(がしょう)……正月を祝う
- 賀春(がしゅん)……新春を祝う
- 頌春(しょうしゅん)……春(新年)を讃える
- 迎春(げいしゅん)……春(新年)を迎える
- 慶春(けいしゅん)……春(新年)を喜んで祝う
- 寿春(じゅしゅん)……春(新年)を祝う
- 初春(しょしゅん)……新しい年、年の初め
- 新春(しんしゅん)……新しい春、新しい年
- 芳春(ほうしゅん)……春が香る
【漢字四字の賀詞】
- 謹賀新年(きんがしんねん)……謹んで新年をお祝い申し上げます
- 謹賀新春(きんがしんしゅん)……謹んで新しい年をお祝いもうしあげます
- 恭賀新年(きょうがしんねん)……恭しく新年をお祝い申し上げます
- 恭賀新春(きょうがしんしゅん)……恭しく新しい年をお祝い申し上げます
- 敬頌新禧(けいしょうしんき)……恭しく新年の喜びをお讃え申し上げます
- 慶賀光春(けいがこうしゅん)……輝かしい新年のお喜びを申し上げます
賀詞選びの注意点
年賀状の冒頭に賀詞を用いた場合には、その後に続く文章にも注意が必要です。ポイントは、賀詞と同じ意味の文章を添えないこと。よくある間違いのひとつが「新年あけましておめでとうございます」ですが、これは「新年」と「明けましておめでとうございます」が重複していることになりますので、この場合は「新年おめでとうございます」となるのが正しい使い方だとされています。
賀詞は年賀状には欠かせない大切な言葉ですから、送る相手に応じて正しく使い分けられるようにしておきましょう。
- 誰にどんな内容で送る?年賀状で結婚の挨拶をする際のポイント
- これから新たな家庭を築いていく2人にとって、周囲の人たちと良好な関係を保っていくことはとても大切なことです。新しい伴侶を紹介し、今後の人生を共に力を合わせて歩ん...
- 年賀状をボールペンで書くとは失礼?適した筆記用具について
- 小学校や中学校では書道の授業がありましたが、お礼状等を書く場合でもボールペンや万年筆を使う人が多く...